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​ぺロブスカイト太陽電池

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・ぺロブスカイトとは

ペロブスカイトとは、三元系が形成する結晶構造(MRX₃)の一つです。単位格子は立方晶であり、立方体の中心にM、各頂点にR、各面の中央にXが位置しています。太陽電池の場合、Mに金属(Pb, Snなど)、Rにアミン系の有機化合物(NH₃CH₃など)、Xにハロゲン(I, Brなど)がそれぞれ使用されることが多いです。

 

・ぺロブスカイト太陽電池の構造と仕組み

上記の図はペロブスカイト太陽電池の一例です。図の太陽電池は、「電極」「正孔輸送層」「発電層」「電子輸送層」「透明電極」「透明板」の6つから構成されています。ペロブスカイトは、発電層に使用されています。

透明板側から光を当てると、発電層に光が届きます。届いた光は、発電層の電子を励起し、自由電子と正孔を生成します。生成された自由電子と正孔はそれぞれ電子輸送層と正孔輸送層を経由して電極に向かいます。これが、ペロブスカイト太陽電池の発電機構です。

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・Li+@C60を用いたぺロブスカイト太陽電池

 Li+@C60はぺロブスカイト太陽電池の「正孔輸送層」への利用が期待されています。
 上記のペロブスカイト型太陽電池の模式図は正孔輸送層にLi⁺@C₆₀を利用した一例です。使用方法は、塩の状態である[Li⁺@C₆₀](TFSI⁻)と正孔輸送材料としてよく用いられるSpiro-MeOTADに少量混ぜて使います。[Li⁺@C₆₀](TFSI⁻)を混ぜることで、[Li⁺@C₆₀](TFSI⁻)がSpiro-MeOTADを瞬間的に酸化し、Li⁺@C₆₀˙⁻と[Spiro-MeOTAD+](TFSI⁻)ができます。ここでできるLi⁺@C₆₀˙⁻は、ペロブスカイト太陽電池の弱点である酸素と水を防ぎます。また、Spiro-MeOTAD が[Spiro-MeOTAD+](TFSI⁻)となることで、正孔輸送材料としての性能が向上します。

 

*参考文献

I. Jeon, et.al., J. Am. Chem. Soc., 141, (2019) 16553-16558.

耐久性の課題は、リチウムイオン内包フラーレンの技術により解決します。ご関心のあるみなさまは、ページ最下部にありますフォーム・メールよりお問い合わせください。

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